手厚い介護だけが良い介護ではない

介護施設を利用するのであれば、良い介護施設を利用したいというのは誰しも思うことだと思います。では『良い介護施設』というのはどういった施設なのか、ということについてもう少し考えてみましょう。

良い介護施設と聞くと手厚い介護をしてくれるところを想像する人もいるかもしれません。確かにそれは一理あります。

しかし、介護の世界ではそれは真逆です。なんでもかんでも介護してしまうと寝たきりコースへ一直線となってしまいます。

至れり尽くせりの介護をしたことで、自分で自立できない状態へ導いてしまっては、何の意味の介護か分かりません。介護というのは、そもそも、終末期の患者さんを看取るというものではなく、自立して日常生活が送れるようになることを支援するということが本来の目的なのですから。

まあ現実はなかなかそううまくはいかないものですが。。。

さて、良い介護施設とはどういうものなのかと言いますと、次のようなものです。

【やれる事は自分でやる】
介護現場ではノーマライゼーションという考え方が根付いています。これは比較的新しい考え方なのですが、本人ができる事でもそれを奪って介護してしまうとその本人が持っている本来の力がなくなってしまいます。
例えば、立てる人なのに時間がかかるからといって抱えて移乗したり、時間をかければ自分で食べられる人なのに食事介助をするなどの介護をしている施設は、良くない施設です。手厚い介護に見えますが、時間重視で、その人ができる事をできないように変えてしまいます。

自分でできることは極力自分でしてもらう。また、自分で出来るようなるための支援をすること。
それが良い施設の条件です。

【基本、介護は丁寧に】
良い介護施設の反対に悪い施設の見本としては、利用者との接し方が悪いということが挙げられます。
利用者を『呼び捨て』や『ちゃん付け』で呼ぶなど敬語を使わなかったり見下した態度を取るなどの接し方をするのは悪い施設です。一回り二回りも年下の介護士にそう呼ばれる事、そのような態度で扱われることが、本人にとって凄く苦痛な事であるからです。

ただ、あまりにも丁寧だと、今度は利用者の方が介護士を舐めてかかる場合があります。女性の場合、付け入る隙があるとセクハラをしたり、攻撃的になったりする利用者もいます。

この辺りのバランスが難しいところではあります。

重要なポイントとして、施設が閉鎖的だとどちらも起こりやすいです。
ある程度、柔軟に対応し、なるべく解放的な施設づくりを行う事が必要です。

介護は特殊な分野ではありますが、それでも1つのサービスだと言えます。その介護において、利用者は介護サービスを購入しているという立場になります。ただし、いくら介護サービスを買っている消費者という立場であっても、利用者の将来の身体の事を考えると、その人の希望ばかり聞いていてはダメです。

自分でやれる事はやってもらうという結論になります。

逆の立場で考えても、やはり誰だって寝たきりは嫌なはずです。だから自分でやってもらうことが、その人の将来の利益になるはずです。

近い将来、寝たきりという状況にならないためにも、まずは日頃の生活でリハビリをしながら生きていく事が重要になってきます。今、よく言われる『利用者のQOLを考える』ということは介護士にもとても必要なことのです。