認知症患者への援助のポイント

高齢者や要介護者と切っても切り離せない病気の1つが認知症です。

認知症については、病態や病状を十分に理解することが大切です。様々なパターンや、隠れた問題が潜んでいる場合もあります。認知症が疑われる場合は、素人判断を下すのではなく、早めに専門医の診断を仰ぐことです。

そして、適切な治療が早く受けられるようにすることが周りにいる人の役目だと言えます。

最近では、薬物によって認知症の症状の進行を抑制する治療も広まりつつあります。つまり、認知症だからと諦めるだけではないということ。

薬物治療とともにデイケア、デイサービスなどの医療・介護サービスを適切に利用していきましょう。そしてまだ残っている身体的・精神的な機能を少しでも長く維持していくことが大切です。

昔であれば、認知症は諦めの一手であったのかもしれません。しかし、最近は、認知症を回復させることは不可能であったとしても、周囲の対応によって症状を軽くして、進行を遅らせることができるようになっているのです。

さて、介護においても認知症の利用者は多く、介護職員を悩ませる利用者の1つとして考えられています。

認知症にかかると、通常の思考や判断ができにくくなり、何度言っても分かってもらえないということも良くあります。

ただその場合も、無理な説得はもとより、強制的な態度、叱責というのは好ましいものではないです。

認知症の患者で多いのが、叱責されることによる精神的不安定です。平たく言えば、暴れだすということです。認知症患者にとっては、叱られてもなぜ叱られているのか理解できず、結果として不快な感情だけが残ることもあります。それが1度や2度だけでなく、毎日何度も起こると、ついにはそのストレスが爆発して、精神的不安定に陥るということになります。

認知症の場合、何度も同じことを繰り返し聞いてくることもよくあります。その場合、イライラせずに、なるべく穏やかな気持ちでいること、そして初めて聞くつもりで接すること、そうすることで、精神的安定をもたらすようです。

「だから~!」と言って、イライラを全面に押し出すのは、介護士本人のためにも良くありません。仕事に対するマイナス感情が積っていくことになります。

認知症の特徴として、最近の記憶は忘れてしまっていても、昔の記憶は残っていることが多いものです。だから、敢えて昔話をしてもらって自尊心の向上につなげたり、趣味、活動などを通して満足感の向上につなげることも良いでしょう。

記憶は失っていても、身体の動きは覚えていることも良くあります。だから行動を優先させることで脳の残存機能をうまく刺激するのも検討してみてください。

認知症患者は介護をする人にとっても手のかかるものですが、周囲の言葉や態度で要介護者の自尊心を傷つけたり、混乱させてしまうことは絶対に避けたいものです。

もちろん、徘徊が起きるときは事故を防ぐために拘束なども必要になりますが、この利用者に対してはどういった姿勢で接し、どこまでの対応が必要なのかを一人ひとり把握しておくことが欠かせません。