高齢者への介護や援助のポイント1

介護士の役目というのは、単に『要介護者を支援する』というものではありません。介護サービスの利用者がその人らしい生き方を継続し、満足いく人生の完結が迎えられるように、支援することです。

高齢者自身が、自分の老いや障害を受け止めることを出助けすること、その結果として生活機能を維持しながら日常生活を送れるように支援することでもあります。

高齢者の場合、健常者に比べて1つの病気の発症や怪我によって重度の障害を引き起こしやすいという特徴があります。なんでもない病気や怪我から合併症を生じることもありますし、そのことによって基礎疾患が悪化するということもあります。

一旦、悪循環となってしまいますと、回復に至るのは難しいものとなりますので、常に予防的な対処が必要です。

よりよい介護を考える前に、『できるだけ長く、普段通りの日常生活を送る』ためには何が必要かを考えるのもまた大切なことです。

例えば、寝たきりになる原因の1つに転倒による骨折があります。健常者であれば、時間がたてば回復にいたるような骨折であっても、高齢者の場合は、全身の筋力が低下しているため、骨折が原因で寝たきりになることもしばしばあるのです。

その結果、介護サービスの利用に至るというケースも良くあるわけですが、誰しもたった1つの骨折が原因で介護サービスのお世話にはなりたくないはずです。だからそのためには、日ごろから予防・防止するための対策を検討しておく必要があるのです。

家の中での転倒骨折の防止には、足元に置かれた物の整理、段差の解消(バリアフリー)などがあるでしょう。
もともと足腰が弱り気味なのであれば、早めに手すりの取り付けなども必要です。階段、トイレ、風呂場、玄関など、立ち上がりが頻繁に生じる場所では、使い勝手をよく吟味しておきましょう。

また、日本は夏場や冬場は高齢者にとって厳しい気候となることがあります。そのため、日常生活を安全に送ることができるように環境を整えることです。特に夏場は脱水を起こしやすいです。高齢者はクーラーを嫌がる人も多く、そのために脱水や熱中症になるケースが多いのです。部屋の温度や湿度、就寝時の掛け布団などにも注意しましょう。